ふるさと納税ってよく耳にするけど、やり方が面倒そうなんだよね・・・
ふるさと納税は所得がある人なら、やらなきゃ損な制度だよ。
これから始める人向けに、ふるさと納税の始め方を詳しく解説するよ。
ニュースでもたびたび話題になるふるさと納税は、年末が近づくと「ふるさとチョイス」や「楽天ふるさと納税」、「ふるなび」などCMでもよくフレーズを耳にします。
「ふるさと納税はやったほうが得だ」とは思っていても、面倒そうでなかなか重い腰が上がらない人も多いと思います。
偉そうに解説している僕も、ふるさと納税はまだ初めて3年目です。
今からでも遅くないので、ふるさと納税をぜひ始めましょう。
「ふるさと納税って何だか面倒くさそうでまだやっていない」とお考えのこれから始める方向けに、できるだけわかりやすくふるさと納税を解説いたします。
ふるさと納税の仕組み
まず、ふるさと納税の基本的な仕組みを図解いたします。
ふるさと納税のお金とモノの流れを図にするとざっとこんな感じです。
図中の登場人物や関連部署は、以下に説明をまとめました。
ふるさと納税の関連部署
- ふるさと納税者:収入があり、住民税や所得税を納税している人
- ふるさと納税サイト:各地方自治体のふるさと納税の返礼品を紹介するサイト
- 税務署:ふるさと納税を行った際に、確定申告を行う最寄りの税務署
- 市役所:ふるさと納税を行った人が住民税を収める市区町村の役所
うーん、ちょっと手続きとかが色々あって複雑そうだな・・・税務署とか市役所とか自治体とか似たような機関が出てきてこんがらがっちゃうよぅ。
それでは、一旦手続きは省略して、モノ(返礼品)とお金の流れだけを見てみよう。
なるほど・・・返礼品を寄付金の対価として貰うけれど、寄付した金額を税務署や市役所から還元してもらうんだね!
普通のショッピングと違って、支払ったお金が後から返ってくる&支払う予定のお金が減るからお得になるんだよ!
それでは、「(1)ふるさと納税の返礼品を申し込むとき」、「(2)ふるさと納税額を控除してもらうとき」で分けて流れを見てみましょう。
(1)ふるさと納税を申し込む流れ
先ほどの図を使って説明すると、上半分が「ふるさと納税の返礼品を申し込むとき」の流れとなっています。
①〜③のそれぞれ流れの内容をまとめると以下の通りです。
Point①ふるさと納税サイトで返礼品を選択して、寄付金を支払う
②ふるさと納税サイトが寄付者情報と寄付金を地方自治体に提供
③地方自治体は寄付者に返礼品と受領証を発送
ふるさと納税はネットショッピングをするように、ふるさと納税サイトで好きな返礼品を選んで、Web上で決済を行います。
へー、いつものネットショッピングと同じ感覚でふるさと納税ができるんだね。
通常のネットショッピングと異なるのは、寄付金の使い道を指定するドロップリストや、返品などを受け付けない旨のチェックボックスなどがあるくらいだよ。
また、ふるさと納税サイトの中には、「楽天ふるさと納税」など通常のショッピングサイトもあるので、普段から使っていればクレジットカード登録など面倒な初期手続きも不要になります。
「楽天ふるさと納税」はポイントも貯められるので、ふるさと納税サイトとして非常におすすめです。
楽天スーパーセールと組み合わせれば、まさに鬼に金棒!
いかに楽天ふるさと納税を使い倒すかについては、こちらの記事を参考にしてください。
「楽天ふるさと納税」以外にも、「ふるさとチョイス」「さとふる」「ふるさと本舗」「ふるり」とふるさと納税サイトには様々な種類があ流よ。
サイトにより、扱う返礼品の数の多さが違ったり、特典でAmazonギフト券がもらえたりと、各ふるさと納税サイトで特徴がありますので複数登録するのもありです。
こちらのページではふるさと納税サイトを比較しているので、ぜひ参考にしてください。
また、2018年12月31日までの期間限定キャンペーンで「さとふる」でAmazonギフト券が最大10%もらえます。こちらも非常に魅力的です。
※本キャンペーンは終了しました。
最後に注意点ですが、③で地方自治体から送られてくる受領証はくれぐれも無くさないようにしておきましょう。
送られてくる受領証を無くすと寄付金の控除が受けられないので、割高で商品を買っただけになっちゃうよ!
(2)ふるさと納税を確定申告する
上記の支払いだけで終わってしまうと、ふるさと納税は通常のネットショッピングよりも割高な買い物をしただけです。
ふるさと納税は、寄付控除という支払った税金や来年支払う予定の税金を減額してくれる(還付・控除)という嬉しい恩恵を受けることができます。
④〜⑦のそれぞれの流れをまとめると以下の通りです。
Point④ふるさと納税を行なった翌年の3月までに、確定申告を行なう(受領証を提出)
⑤ふるさと納税した金額に対して所得税分が還付される
⑥税務署から住民票のある市区町村の役所に対して納税情報が連絡される
⑦ふるさと納税を行なった人の翌年の住民税が減額される
ふるさと納税をする人は税務署に行って、確定申告をする必要があるんだね。
所得税の還付と住民税の減額により、実質的な負担金は2,000円となります。そして、この恩恵を受けるためには、ふるさと納税をいくら支払ったかを税務署に確定申告する必要があります。
確定申告をすると所得税は後日銀行振込などで還付され、住民票のある市役所と連携して翌年の住民税が減額されます。
ちなみに確定申告を行っても、還付金がない場合もありますのでご注意ください。還付金が少なくなる理由についてはこちらの記事をお読みください。
確定申告って今までやったことないんだよな・・・
僕でもできるかなー。
全く分からない人でも、返礼品と一緒に送られてくる受領証を持って税務署に行けば、職員の人に教えてもらえるよ。
ただし、この場合は税務署でかなり時間がかかってしまいます。そのため、予め書類を自宅で作しておき税務署で確認してもらうのがスムーズです。詳しい確定申告の方法はこちらの記事をご確認ください。
確定申告がいらない「ワンストップ特例制度」とは?
ふるさと納税は確定申告が必要と解説してきましたが、「ワンストップ特例制度」を使うと確定申告をする必要がなくなります。
えっ!先にそれを教えてよ・・・
ワンストップ特例制度を利用した場合の申請の流れは以下の通りです。
確定申告する場合と重複しますが、①〜⑤のそれぞれの流れをまとめると以下の通りです。
Point
①ふるさと納税サイトで返礼品を選択して、寄付金を支払う
②ふるさと納税サイトが寄付者情報と寄付金を地方自治体に提供
③地方自治体は寄付者に返礼品と受領証とワンストップ申請書を発送
④ふるさと納税した地方自治体にワンストップ申請書を提出
⑤ふるさと納税を行なった自治体から住民票のある市区町村の役所に対して納税情報が連絡される
⑥ふるさと納税を行なった人の翌年の住民税が減額される
ワンストップ特例制度が使える条件として、「そもそも確定申告の必要がない」「ふるさと納税をする自治体が5つ以下」を満たす必要がありますので、注意しましょう。
ワンストップ特例制度の条件
- 確定申告の必要がない人
- 年収2,000万円を超える方や医療費控除などで確定申告が必要な方はワンストップ特例制度を利用できません
- ふるさと納税をする自治体が5つ以下
- 1つの自治体にいくつも申し込んでも、全部で5自治体以下であればOK
- ワンストップ申請書(正式には「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」)をふるさと納税を行なった各地方自治体に送付
- 送付にあたりマイナンバーなどに記載の個人番号が必要になります
確定申告する場合とワンストップ特性度を比較してみるとこんな感じです。どちらがいいかは、他の税金控除を受けるかどうか、寄付する件数が多いかどうかで判断しよう。
確定申告 | ワンストップ特例制度 | |
手続き時期と回数 | 翌年の2/16〜3/15の1回 | 寄付ごとに申請書を送付 |
条件 | 1年間の所得を確定させて申告 | ・確定申告をする必要がない人 ・ふるさと納税先が5自治体以下 |
おすすめ | ・医療費控除などを行なう人 ・たくさんの自治体に寄付する人 ・寄付回数が多い人 | ・寄付回数が少ない人 |
ふるさと納税の計算方法
ふるさと納税できる金額は所得で決まる
ふるさと納税っていくらでもできるわけじゃないよね?
ふるさと納税が実質2,000円でできる金額はどうやって決まるのかな?
ふるさと納税が利用できる金額(控除限度額)は、ふるさと納税を行なう世帯の所得によって決まるよ。なので、所得がない人はふるさと納税ができないので注意!
ふるさと納税が利用できる金額(控除限度額)は、「所得税分の控除」「住民税基本分の控除」「住民税特例分の控除」の3つから成り立っています。
ふるさと納税の控除限度額や自己負担である2,000円の関係を図解すると以下の通りです。
数字とグラフのポイントをまとめると以下の通りです。
Point
- ふるさと納税は、控除減額を超えなければ自己負担は2,000円
- ふるさと納税の控除の内訳は、所得税+住民税基本+住民税特例
- 自己負担の基準となるのは、住民税特例分
- 正確には各項目で限度額が異なるため、「最も低い」かつ「控除割合額が高い」住民税特例分を基準にするのが一般
住民税だけでなく、所得税+住民税基本+住民税特例の3つの税金が控除されるんだね。
一番割合が大きいのが住民税特例分だけど、ここは所得税率によって決まるのか・・・うーん複雑!
細かい内訳は特に意識せず、大半が住民税が控除されると覚えておけばいいと思うよ。あとは上限を超える分が自己負担となるので、なるべく2,000円に抑えたい人は控除限度額を抑えておこう!
おさえておきたい、控除限度額をピックアップして記載しておきます。
控除限度額を超えると全て自己負担となり、自己負担分に対しては所得税の還付も住民税の減額もありません。住民税特例分が一番最初に限度額に引っかかりますが、その控除限度額は下の式で計算できます。
+自己負担2,000円
一般的に「ふるさと納税の限度額は住民税の20%が目安」とされていますが、実際には所得税率によって大きく変動します。
例えば、所得税率が23%(所得695万円~900万円)の方は住民税の30%、所得税率が40%(所得1800万円~4000万円)の方は住民税の45%が目安になります。詳しくは以下の表をご確認ください。
所得金額 | 所得税率 | 限度額 |
~195万円 | 5% | 住民税所得割額 × 23.6% + 2,000円 |
195万円~330万円 | 10% | 住民税所得割額 × 25.1% + 2,000円 |
330万円~695万円 | 20% | 住民税所得割額 × 28.7% + 2,000円 |
695万円900万円 | 23% | 住民税所得割額 × 30.1% + 2,000円 |
900万円~1800万円 | 33% | 住民税所得割額 × 35.5% + 2,000円 |
1800万円~4000万円 | 40% | 住民税所得割額 × 40.7% + 2,000円 |
4000万円~ | 45% | 住民税所得割額 × 45.4% + 2,000円 |
<参考>住民税所得割額とは?
住民税所得割額とは、住民税のうち所得に応じて課税される部分を指します。
具体的な計算式は以下の通りです。
10万円ふるさと納税した場合の内訳
先ほどの計算式だと分かりづらいので、実際にふるさと納税を10万円した場合の控除の内訳を計算してみます(所得税率は20%で計算しています)。
所得額が増えるにしたがって、所得税の控除分が増えて、住民税特例分の控除が減っていくよ。
実際にふるさと納税の控除限度額を計算する
ふるさと納税控除上限
- 給与所得:500万円
- 所得税控除後:346万円
- 住民税の所得控除額:114.5万円(社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除など)
- 住民税の所得割額:346万円 ー 114.5万円=231.5万円
- 所得税率:所得税の課税所得額 ≒ 住民税所得割額 = 231.5万円 → 所得税10%
- 住民税所得割額:231.5万円 × 住民税10% - 調整控除2,500円 = 22.9万円
- ふるさと納税控除限度額:22.9万円 × 25.1% + 2,000円 ≒ 5.9万円
医療費控除などでふるさと納税の控除限度額は減る?
今年、けがで入院したから医療費控除をする予定なんだけど、ふるさと納税にも影響するのかな?
医療費控除により住民税所得割額が減額するため、その影響でふるさと納税できる金額は減るよ。
具体的にどのくらい控除限度額が減ってしまうかは、こちらの記事をご確認ください。
ふるさと納税始めるなら専用サイトへ
「楽天ふるさと納税」で楽天スーパーポイントを貯めよう
ふるさと納税サイトも色々あるのは分かったけど、どこが一番おすすめのサイトなの?
個人的には「楽天ふるさと納税」が楽天ポイントも貯められて最もおすすめです。また、楽天スーパーセールと組み合わせれば、買い回りによってポイントがさらに何倍にもアップします!
「楽天ふるさと納税」のポイントはこちらで紹介しています。
「さとふる」はふるさと納税の返礼品が見やすいサイト
CMでもおなじみの「さとふる」は、サイトのデザインが見やすいので使いやすさが抜群です!
返礼品を受け取った納税者のレビューが充実しており、返礼品の評価を色々と知りたい場合はおすすめのサイトです。
「さとふる」のポイントはこちらで紹介しています。
「ふるなび」ではAmazonギフト券がもらえる
楽天よりもAmazon派という方はAmazonギフト券がもらえる「ふるなび」がおすすめです。また、ギフトカードや家電も多く扱っています。
「ふるなび」のポイントはこちらで紹介しています。
「ふるさとチョイス」は返礼品の掲載量が多い
Tポイントが余っている方は「ふるさとチョイス」で消化できるのでおすすめです。
「ふるさとチョイス」のポイントはこちらで紹介しています。
ふるさと納税のおすすめ返礼品
個人的なおすすめランキング
ふるさと納税ってお肉とかフルーツとか家族向けの印象が強いなー。一人暮らしだとあんまり使い道がない返礼品ばっかりなんじゃないの?
一人暮らしの方向けにおすすめの返礼品をこちらの記事でまとめてみたよ。長期保存に向いたお米や家電製品、使い勝手のいい金券について書いてあるよ。
それとは関係なく、個人的におすすめの返礼品をまとめてみました。実際に注文して使った感想も載せていますので、ご参考まで。
ふるさと納税で金券がもらえる
ふるさと納税では、食品関連でなくギフトカードや旅行券などの金券が返礼品になっている場合があります。
総務省からは「金券をふるさと納税の返礼品とするのはいただけない」と注意が行われているようです。近い将来には返礼品としてNGとなる可能性もあるので、今のうちに申し込みした方がいいかもしれません。
現状の返礼品の中で、最も使い勝手が良いのはAmazonギフト券です。
Amazonギフト券は週末になると、受け付けている場合が多いようです。こちらの記事から現状を確認しましょう。
ふるさと納税でiPadがもらえる
人気のAppleのiPadやノートPCも返礼品に設定されています。
金券と同様に将来的には規制の対象となってしまうかもしれません。詳しくはこちらの記事をお読みください。
ふるさと納税で家電ももらえる
掃除機や炊飯器などの家電製品も返礼品として登録されています。
家電メーカの工場がある日立市や燕市で返礼品として設定されています。このあたりは金券やiPadよりは地場産業との間隔はありますが、将来的には規制になるかもしれません。
まとめ
ふるさと納税の仕組み、利用できる上限金額、おすすめの返礼品などについて解説いたしました。
最後になりますが、ふるさと納税は所得があるなら必ず得をする制度です!まだ始めていない方は、ぜひ始めてみましょう!
コメント