AWS(Amazon Web Service)では、利用するサービスに応じて課金される仕組みです。そのため、EC2などのサーバを立てっぱなしにして放置してしまい、多額の請求が来てしまうリスクもあります。
今回は、Amazon CloudWatchを使って、AWSの利用料金が発生した場合にアラート通知が来る設定方法をご紹介します。
AWSの利用料金の決まり方
AWS(Amazon Web Services)とは、Amazon.comにより提供されているクラウドサービスの名称です。AWSは一般的なクラウドストレージサービスと違い、事前に契約したプランにより利用料金が決定するのではなく、サービスを使った量により利用料金が決まります。
例えば、ストレージであるS3はデータを保存した容量、仮想サーバであるEC2はデータ転送量などにより利用料金が決まります。そのため、「色々試しに使ってサーバを停止せず放置していたら、多額の請求書が来た」ということも想定されます。
また、最近では「AWSのルートアカウントのパスワードが流出してしまい、仮想通過採掘用のEC2サーバがたくさん立てられてしまい多額の請求がきた」という事件も発生しているようです。
そのような事態を防止するために、AWS上では利用料金の変化を確認できる仕組みがあり、その仕組みを使った料金通知アラートの設定方法についてご紹介いたします。
AWSのアカウント作成については、こちらの記事を参考にしてください。
設定方法
1.請求ダッシュボードでの設定
まず、AWSアカウントにログインし、次に「請求ダッシュボード」にアクセスします。
次に設定を選択し、「電子メールでPDF請求書を受け取る」のチェックボックスをONにします。
1つ目のPDF請求書の受け取りが不要な方は、OFFでも構いません。
その後、「設定の保存」をクリックします。
以上でAWS上で利用料金が監視され、設定した内容を満たす場合にアラートが送られるようになりました。次の工程では、アラートを設定していきます。
2.アラートの管理設定
先ほどのページの「請求アラートを受け取る」のチェックボックスの説明文の末尾にある、「請求アラートを管理する」というリンクをクリックして、CloudWatchへ移動します。このCloudWatchは、請求金額だけでなく、サーバのCPU使用率などの情報も取得することができるAWSのサービスです。
リンクを進むと、CloudWatchのアラームの作成・管理画面に移動します。画面中部にある「アラームの作成」ボタンをクリックします。
カテゴリ別のCloudWatchメトリクスに移動します。今回はAWSサービス全体の合計金額を見たいので、「概算合計請求額」をクリックします。
メトリクスの選択画面に移動します。以下設定になっているかを確認します。
- 通貨(Currency)がUSD
- メトリクス名がEstimatedCharges
3.時間範囲の設定
次にアラームを通知する基準となる時間範囲を設定します。今回は「過去6時間と比較」するようなアラームを作ります。
相対値のタブをクリックし、開始が6時間前、終了が0時間前、になるように設定します。完了したら「次へ」を選択します。
4.アラート条件の設定
いよいよアラームの設定を行います。アラームの名前や説明は適当に入力して問題ありません。今回は「0$以上の課金が発生した場合に通知」するアラームを作ります。
すなわち条件は、EstimatedCharges >= USD$0となります。これに合うように条件文と数字を設定します。
5.アクションの設定
次にアクションを設定します。今回のアクションは「課金が発生した場合にメール通知」なので、アラームが「状態:警告」の時に送信先を設定すればOKです。
通知の送信先はデフォルトでは設定されていないので作成する必要があります。編集画面でメールリストにメールアドレスを入力し、リスト名を設定すれば使いまわしができます。
また、今回は「状態:OK」になった時、つまり利用料金が0$に戻った時にも通知が来るように設定しています。
6.メールアドレスの確認
設定したメールアドレスが新規である場合、その確認が求められます。
以下のような画面が表示され、設定したメールアドレスに確認メールが送られます。メールからリンクにアクセスして、アラームの設定が完了します。
まとめ
今回はAWSで利用料金が発生した場合にアラート通知される設定方法をご紹介しました。AWS利用時に最初に設定したい項目ですので、ぜひ設定しましょう。
AWS関連ですと、こちらの記事もオススメしております。
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