AWS認定試験のうち入門にあたる「クラウドプラクティショナー」が2018年より新設されました。クラウドプラクティショナーの試験内容と解答例についてご紹介いたします。
AWS認定とは?
AWS認定とは、AWSサービスの理解や技術的な専門的な知識をサービス提供者であるAWS自身が認定するものです。詳しくは前回の記事をご参照ください。
AWSクラウドプラクティショナーのレベル
今回ご紹介する「クラウドプラクティショナー」は、AWS認定の中でも最も基礎的なベーシックに位置づけされます。
情報処理試験では、ITパスポート~基本情報処理といったレベルに相当すると思います。
AWSをある程度触ったことがある人や、AWS主催のトレーニングを受講していれば、ある程度合格レベルに達すると思います。
ただし、AWSに特化した問題が出題されるため、ネットワーク系の知識が豊富だからと言って勉強しないで合格できるほどハードルは低くないと感じます。
例題
実際にクラウドプラクティショナーの難易度を把握するために、AWSが公開しているサンプル問題を解いてみましょう。
サンプル問題は英語ですが、こちらのページからダウンロードできます。
今回は例題の10問中、前半の5問についてみてみましょう。
設問1
AWSが従来の負荷の変動があるアプリケーションのデータセンタより、経済的な理由は何か
A)EC2は1か月単位の支払いのため
B)顧客はEC2インスタンスへのフルアクセス権限を持っているため
C)EC2インスタンスは必要な時だけ要求に応じて立てられるから
D)顧客は永続的にピーク負荷を考慮して十分なインスタンスを実行できるから
ヒント:オンプレミスとAWSの経済面での差異
設問2
データベースをAWSに移行するのに最もシンプルなサービスはどれか
A)AWS Storage Gateway
B)AWS Database Migration Service
C)AWS EC2
D)Amazon AppStream 2.0
ヒント:英語の意味が分かればほぼ答え
設問3
顧客が必要なソフトウェアやソリューションを見つけたり、購入したり、すぐに使用し始めることができるサービスは何か
A)AWS Config
B)AWS OpsWorks
C)AWS SDK
D)AWS Marketplace
ヒント:英語の意味が分かればほぼ答え
設問4
AWS内の社内バーチャルネットワークを構築するAWSサービスは何か
A)AWS Config
B)Amazon Route 53
C)AWS Direct Connect
D)Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)
ヒント:社内という点がポイント
設問5
AWSの責任共有モデルにおいて、AWSの責任となっているのはどれか
A)サードパーティ製アプリの設定
B)物理ハードウェアのメンテナンス
C)アクセス権とデータのセキュリティ
D)Amazon Machine Images(AMI)のカスタム管理
ヒント:責任共有モデルでユーザ/AWSの境界
例題の解答
それでは、解答について見ていきます。
設問1
答え:C
「C:EC2インスタンスは必要な時だけ要求に応じて立てられるから」が答えです。
ポイントとなるのは、AWSのEC2は基本的に使ったインスタンスに対して課金されるため、負荷変動がある場合に冗長性を持たせて多くのEC2インスタンスを起動しておく必要はありません。
AWSでは、Auto ScalingというEC2インスタンスの負荷状況に応じて新たなEC2インスタンスを立てて、ロードバランサ(ELB)により各インスタンスに負荷を分散することで、急激な負荷を抑える基本パターンがありますので抑えておきましょう。
Dの回答は、オンプレミスでも冗長性を持たせてサーバ台数をたくさん稼働させておくことで可用性は向上できますが、コストは非常に悪化します。今回問われているのは、コスト的な問題ですので、解答Cが導かれます。
設問2
答え:B
「B:AWS Database Migration Service」が答えです。
Migration=移行が分かれば、正解できる問題です。サービス内容はきちんと確認しておきましょう。
設問3
答え:D
「D:AWS Marketplace」が答えです。
AWS Marketplaceでは、必要なソフトや環境がインストールされたAMI(Amazon Machine Interface)を無料または有料で購入し、すぐにデプロイすることができます。
例えば、Linux環境でCentOSをインストールしなければいけない場合、Marketplaceでインストール済みされたAMIが無料で販売されていますので、こちらからデプロイすることで、OSインストールなどは自分でやらずにすぐに使うことができます。
設問4
答え:D
「D:Amazon VPC」が答えです。
VPCはAWS専用の仮想ネットワークで、他の仮想ネットワークから論理的に切り離されているのが特徴です。
VPC内に配置したEC2インスタンスにはIPアドレスが適切に割り振られ、外部ネットワークからEC2インスタンスに到達するようルーティングされます。
また、VPC内のネットワークは、セキュリティグループやネットワークACLなどファイヤーウォールを設定することができ、セキュリティを向上させることができます。
VPCの特徴として、AZ(アベイラビリティゾーン)やサブネットをまたぐことができる点も良く出題されるので、押さえておきましょう。
設問5
答え:B
「B:物理ハードウェアのメンテナンス」が答えです。
AWSの責任共有モデルでは、物理サーバやインフラストラクチャについてはAWS側の責任範囲としています。
ユーザ側は、AWSアカウントの設定やデータの暗号化などのデータ自身のセキュリティ、構築したネットワークのセキュリティ設定が責任範囲となります。
責任共有モデルに関連した問題は多く出題されるので、ぜひ押さえておきましょう。
クラウドプラクティショナーのおすすめ参考書
クラウドプラクティショナーは2018年から開設された認定試験のため、残念ながら2018年7月時点では参考書は発売されていません。
しかし、AWS認定対策という点では、ソリューションアーキテクト アソシエイトの参考書が発売されていますので、こちらをオススメいたします。
私も1冊持っていますが、例題の傾向から見ても出題範囲はプラクティショナーとほぼ被っていますし、アソシエイト受験を踏まえて購入しても良いと思います。
AWSをイチから学ぶなら「RaiseTech」
また、クラウドサービスでトップシェアのAWSの技術を身につけてスキルアップや転職を考えているなら、「RaiseTech(レイズテック)」がオススメです。
現場で使われる技術にフォーカスして、ほかスクールにはない圧倒的なサポートをしてもらえるので、短期集中で環境構築、自動化、DevOpsなどのAWS技術を身に着けることができます。
「RaiseTech」とAWS認定での資格取得によるスキルアップで、もう一段上のエンジニアへステップアップしましょう!
また、AWSで人工知能(AI)もやりたいと考えている人は、完全オンラインのプログラミングスクール「Aidemy」もおすすめだよ。
まとめ
今回はAWS認定クラウドプラクティショナーの例題について解説してみました。
後半についても、近日中に公開したいと思います。
※18/7/31 追記
続編を執筆しましたので、参考にしてください。
コメント