企業への不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいます。個人情報保護委員会によると、2026年4月から10月16日までに報告された不正アクセスによる漏えいは延べ約2億6000万人分にのぼり、10月に入って報告が急に増えました。
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企業から漏れた情報は、自分では止められません。それでも、漏れた情報を悪用されないようにする対策は個人でもできます。この記事では、国の機関が呼びかけている内容をもとに、今日からできる対策と、「漏えいしました」という通知が届いたときの対応をまとめました(2026年11月時点)。

「お客様の情報が流出したおそれがあります」ってメールが来た…。何をすればいいの?

まず、そのメールのリンクは押さないこと。流出に便乗した偽メールもあるからね。公式サイトや公式アプリから、本当に漏えいがあったか確かめよう。
- 国(デジタル大臣)が呼びかけた3つの基本:パスワードを使い回さない、多要素認証を使う、メールやSMSのリンクから開かない
- 漏えいの通知が来たら、漏れた情報の種類ごとにやることが違う
- 「流出した情報で被害が出ている」と電話してくる相手は詐欺を疑う

私自身は不正アクセスの被害を感じたことはありませんが、GoogleやiPhoneなどでパスワード漏洩の通知が届くことはよくあります。また不明な電話番号や不在着信が多くなった場合は、個人情報が漏洩している可能性がありそうです。
今、何が起きているのか
2026年9月ごろから、国内の企業や団体で、不正アクセスによる個人情報の漏えいの公表が相次いでいます。10月上旬には、個人情報保護委員会、警察庁、JPCERT/CC、IPA、金融庁などが一斉に注意喚起を出し、10月30日には国家サイバー統括室が相談窓口や注意喚起をまとめた「サイバー対応特設サイト」を開設しました。
漏れた情報は、氏名・住所・電話番号・メールアドレスだけでなく、ID・パスワード、クレジットカード情報、運転免許証などの本人確認書類の画像に及ぶ場合があります。これらが悪用されると、なりすまし、不正送金、詐欺などの二次被害につながるおそれがあります。
今日からできる対策
1. パスワードを使い回さない
同じパスワードを複数のサービスで使っていると、1か所から漏れただけで、ほかのサービスにも入られてしまいます。漏れたID・パスワードを別のサービスで試す攻撃(パスワードリスト攻撃)は、昔からよく使われる手口です。
- サービスごとに別のパスワードにする
- 覚えきれないので、パスワード管理アプリ(iPhone・Mac の「パスワード」アプリ、Google パスワードマネージャー、専用アプリなど)に任せる
- 特に、メールアカウントとお金に関わるサービス(銀行、証券、クレジットカード、通販)は最優先で変える

メールアカウントを乗っ取られると、ほかのサービスの「パスワードを忘れた」から全部乗っ取られちゃうよ。メールのパスワードがいちばん大事なんだ。

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2. 多要素認証(2段階認証)をオンにする
パスワードに加えて、スマホのアプリや SMS に届くコードなど、もう1つの確認を求める仕組みです。パスワードが漏れても、それだけではログインされにくくなります。
- 設定できるサービスでは、すべてオンにする
- 選べるなら、SMS のコードより、認証アプリやパスキーのほうが安全
3. パスキーが使えるなら使う
パスキーは、パスワードの代わりに、スマホやパソコンの顔認証・指紋認証・画面ロックでログインする仕組みです。パスワードを入力しないので、偽サイトに入力して盗まれる心配がありません。Google、Apple、Amazon、一部の証券会社や銀行などで使えます。

4. メールやSMSのリンクからログインしない
漏れたメールアドレスや電話番号には、流出元の企業をかたる偽メール・偽SMSが届くおそれがあります。
- 「お詫び」「補償」「確認のため再ログインを」などのリンクは押さない
- ログインは、ブックマークした公式サイトか公式アプリから
- メールに書かれた電話番号にもかけない。電話するなら公式サイトの番号で
5. 電話の詐欺に備える
電話番号が漏れると、詐欺の電話がかかってくる可能性があります。「あなたの流出した情報で被害が出ている」「捜査に協力を」などと、警察や役所を名乗る手口も報告されています。
- 警察や役所が、電話でお金や暗証番号、口座の情報を聞くことはない
- 不安なら、いったん切って、自分で調べた正しい番号にかけ直す
- スマホに警察庁推奨の詐欺電話対策アプリを入れて、要注意番号からの着信を警告・遮断する
6. 使っていないアカウントを消す・登録情報を減らす
国は企業に対して「要らないデータを持たない」よう求めています。個人でも同じで、登録しているサービスが少ないほど、漏れる先も減ります。
- もう使わない通販サイト・アプリのアカウントは退会する
- クレジットカードを「保存」しない設定にできるサービスでは、保存しない
- 本人確認書類の画像の提出を求められたら、本当に必要なサービスか考える
7. お金の動きに気づける仕組みを作る
- クレジットカード、銀行、証券の利用通知(メールやアプリのプッシュ通知)をオンにする
- カードの明細は月に1回は見る。少額の見覚えのない請求は、不正利用の「試し打ち」のことがある
- 証券口座は、ログイン通知・取引通知をオンにし、使える場合は多要素認証(パスキー)を設定する

8. スマホ・パソコンを最新の状態にする
金融庁は、ウイルスによる情報の盗み取りを防ぐため、OS などを最新にし、ウイルス対策ソフトを入れて更新し続けることを呼びかけています。OS とアプリの自動アップデートはオンにしておきましょう。
Windows には標準で Microsoft Defender が入っていて、基本的なウイルス対策はできます。スマホやタブレットも含めて複数の端末をまとめて守りたい場合は、市販のセキュリティソフトを使う方法もあります。たとえばノートン 360 は、PC・Mac・スマホ・タブレットに対応しています。
価格や対応台数、返金の条件は、購入前に公式ストアで確認してください。
「漏えいしました」と通知が来たら
まず、通知が本物かを、企業の公式サイトのお知らせや公式アプリで確かめます。そのうえで、漏れた情報の種類ごとに対応します。
| 漏れた情報 | やること |
|---|---|
| ID・パスワード | そのサービスのパスワードをすぐ変える。同じパスワードを使っていたほかのサービスも全部変える。多要素認証をオンにする |
| クレジットカード番号 | カード会社に連絡し、番号の変更(再発行)を相談する。明細を確認し、見覚えのない請求があれば申し出る |
| メールアドレス | 流出元をかたる偽メールに注意。メールのリンクからはログインしない |
| 電話番号・住所 | 詐欺の電話・SMS・郵便物に注意。詐欺電話対策アプリを入れる |
| 運転免許証などの本人確認書類(画像) | 信用情報機関に「本人申告」を登録して、名義を悪用した借入れなどを防ぐ(下で説明)。自分の信用情報を開示して、身に覚えのない契約がないか確認する |
| マイナンバー | 漏えいして不正に使われるおそれがある場合は、市区町村で番号の変更を請求できる |
本人確認書類が漏れたら「本人申告」
信用情報機関(CIC、JICC など)には、本人申告という仕組みがあります。登録しておくと、お金を貸す会社などが審査のときにその情報を見るので、名義を悪用した契約を防ぎやすくなります。
JICC では、運転免許証の現物は手元にあるけれど画像などが流出した場合も、「名義の悪用防止」として登録できると案内しています。手続きの方法や費用は、各機関のサイトで確認してください。
被害にあったとき・不安なときの相談先
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| ウイルス・不正アクセスなどの技術的な相談 | IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 |
| 不正ログイン・不正送金などの被害 | 警察(都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口、緊急でなければ #9110) |
| 契約や請求のトラブル | 消費者ホットライン 188 |
| カードの不正利用 | カード会社(カード裏面の番号) |
各機関の窓口は、国家サイバー統括室の「サイバー対応特設サイト」にまとまっています。
まとめ
- パスワードはサービスごとに変え、管理アプリに任せる。メールとお金のサービスが最優先
- 多要素認証をオンに。使えるならパスキー
- メールやSMSのリンクからログインしない。公式サイト・公式アプリから
- 漏えいの通知が来たら、漏れた情報の種類ごとに対応する
- 本人確認書類が漏れたら、信用情報機関の本人申告を検討する

今回の記事を執筆するにあたり、家族でのパスワードの使い回しをやめ、なるべくパスワード管理アプリを使ってバラバラになるようにしました。また、クラウドやSaaSも原則として多要素認証を設定するようにしています。
参考


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